主な泌尿器科の診療内容について
- 排尿困難、頻尿や尿失禁などの治療
- 尿路性器感染の治療
- 尿路結石の治療とフォロー
- 健康診断の検尿で血尿を指摘されたり、超音波検査で腎・膀胱に異常を指摘されたときの精密検査
- 前立腺がん検診の精査
- 腎がん・膀胱がん・前立腺がんなどの再発チェック
1,排尿困難、頻尿や尿失禁などの治療
男性の方は加齢とともに前立腺肥大になる方が多くこれにより排尿困難や頻尿になってきます。
排尿に関する問診票を書いていただき、
検尿をしてお待ちいただきます。
前立腺肥大の診療で一番大事なことは
がんを見落とさないことです。
前立腺がん検診を他院で受けられた方は
PSA(前立腺特異抗原)の値を教えてください。
また当院でも名古屋市の前立腺がん検診(無料クーポンやワンコイン500円検診)を実施できます。
尿道の抵抗を取る薬剤や前立腺を小さくする薬などの内服治療をまず行います。改善がなければ、また希望があれば手術治療法ついて提示させていただきます。
女性の方は加齢とともに尿漏れを起こす方が多くなってきます。
尿漏れは尿失禁とも言いますが、これには2種類あり、
一つは尿が我慢できずにトイレまで間に合わないというもので切迫性尿失禁といいます。
尿意切迫を起こす病気を広く過活動膀胱と呼んでいます。主な原因は膀胱の老化現象です。
内服薬が著効なので治療の中心となりますが、生活指導や膀胱訓練も有用です。
またくしゃみや咳などの腹圧で尿がもれることも多く、これを腹圧性尿失禁と呼んでいます。
女性に特有な病気で、女性の尿道が短いことに加えて妊娠出産で骨盤の筋肉や筋膜や緩んでくることが関係しています。
有効な薬がないので、骨盤底筋訓練が治療の中心となりますが、改善がないときは手術が必要となります。
2,尿路性器感染の治療
炎症の部位によって、膀胱炎・腎盂腎炎(男女とも)、
前立腺炎・精巣上体炎(男性のみ)があり、
抗生剤による治療となります。
原則として日本感染症学会・化学療法学会の発刊しているJAID/JSC感染症治療ガイド2023に基づいて治療を行っています。
膀胱炎では通常熱は出ませんが、腎盂腎炎や前立腺炎や精巣上体炎では高熱が出ることがあります。全身状態が悪いときときは、抗生剤の点滴を施行したり、病院に紹介して入院治療を受けていただくこともあります。
3,尿路結石の治療とフォロー
急に背中やわき腹や下腹部が痛くなり、吐き気や嘔吐で救急外来を受診されることのある泌尿器科の救急疾患です。
検尿で血尿があること、超音波検査で腎臓が腫れていること(水腎症)を確認し、一般に結石はレントゲン写真に写りますので、腹部X線写真を撮影していただきます。
また、CT写真を撮って正確な診断をさせていただくこともあります。
X線写真とCTはビル内4FのSL外科で撮影してもらえます。
治療は結石サイズが10mm以下のものは、自排石可能なので結石を出しやすくする薬などで排石まで経過を見ます。
残念ながら結石を溶かす薬はありませんので大きな結石で自然排石困難な方、腎機能障害が危惧される方は、体外衝撃波結石破砕(ESWL)や内視鏡手術を目的に、病院に紹介させていただきます。
4,健康診断の検尿で血尿を指摘されたり、超音波検査で腎・膀胱に異常を指摘されたときの精密検査
検尿や超音波検査を再検するとともに
原因を調べます。
一番大切なのは悪性腫瘍がないかどうか判断です。
尿細胞診で悪性細胞の有無を調べたり、
必要に応じてCTや膀胱鏡検査を行います。
5,前立腺がん検診の精査
他院でPSA(前立腺特異抗原)の異常を指摘された方には、
検尿や前立腺触診や超音波検査を行い、
PSA値の再検を行ってきます。
必要に応じて近くの放射線診断クリニックでMRI検査を受けていただくように紹介しています。がんの確定診断に必要な前立腺針生検は、他院へ紹介させていただいています。
6,腎がん・膀胱がん・前立腺がんなどの再発チェック
他院で手術された方のフォローアップを当院で行っています。
採血や超音波検査、CTや膀胱鏡などの定期検査をおこないます。