小児泌尿器科

主な小児泌尿器科の診療について


下に主な小児泌尿器の疾患について取り上げましたが、これら以外のことがらについてもお気軽にご相談ください。

  1. おちんちんについての心配事
  2. 陰嚢(ふくろ)の腫れ
  3. 停留精巣・遊走精巣
  4. おねしょ
  5. 精巣(こう丸)の痛み
  6. 水腎症

おちんちんについての心配事

包茎ではないか?
サイズが小さいのでは?

といった心配事をみます。

包茎については軟膏塗布で包皮がめくれるように治療します。ペニスサイズが小さい見えるときは、ペニスが皮下に埋もれている場合が多いです。実際にエコーでペニスサイズを測定して本当に短いかを調べています。

陰嚢(ふくろ)の腫れ

陰嚢水腫といい、精巣の周りに水(組織液)が溜まっているものです。

自然軽快や消失が期待できますが、2-3年みていて改善なければ手術も勧めてご両親の同意が得られれば、適切な病院を紹介します。

停留精巣・遊走精巣

停留精巣は精巣が陰嚢<ふくろ>内に降りてきていない病気です。

陰嚢のしわしわは熱を下げる働きがあり、
これにより精巣の温度はおなかの中より
1.5-2度低くなっています。

停留精巣では温度が高いため精子を作る細胞が
障害を受け男性不妊になることがあります。
また悪性腫瘍の発生が3-8倍高くなると言われており、1歳前の手術(精巣固定術)必要とされています。
詳しくはこちら(院長作成@中京病院)を参照してください

遊走精巣は, 精巣が陰嚢内から鼠径部にかけて容易に上がったり下がったりする病態で、移動性精巣ともよばれています。

精巣の陰嚢底への固定ができていないため上に移動してしまいます。

2-45%は停留精巣となり、手術が必要となると言われており、定期的に専門医受診が必要となります。

詳しくはこちら(院長作成@中京病院)を参照してください。

おねしょ

幼児は一般に4歳ごろまでに昼間のおもらしがなくなり、
おむつが取れますが夜尿については6歳ごろまでになくなってきます。

日本夜尿症学会の定義だと5歳以上で1カ月に1回以上の睡眠中の尿失禁が
3カ月以上続くことと定義されており5歳で13%、7歳で10%の頻度とされています。

1年に14%ずつ自然軽快していくとされていますが、寝る前の水分制限などの生活指導や薬物療法などの治療介入をすることで消失が早くなることも指摘されています。

夜間尿量を減らすデスモプレシンの投与とアラームによる失禁時の覚醒を促す治療が2本の柱となっています。

精巣(こう丸)の痛み

精巣をぶら下げている精索の血管がねじれて精巣に血液が通わなくなり精巣が壊死してしまう、緊急手術を要する病気です。

思春期以降の男子で早朝に多いとされていますが、学童期にもあります。

ねじれる程度にもよりますが、1回転以上のねじれだと6時間を超えると壊死や萎縮を生じてしまうことが多いとされています。症状は陰嚢の痛みと吐き気や嘔吐があります。

また精巣が上にあがったり、腫れてくることも見られます。鑑別として精巣上体炎があります。

水腎症

水腎症(腎臓に尿がたまって腫れている症状) は妊婦健診や生後の超音波検査で見つかる場合がほとんどです。

経過観察だけでよいことが多いのですが、腎臓が薄くなるほど高度な水腎で腎機能障害が疑われる場合は、適切な病院でレントゲン検査で評価してもらい、手術が必要かどうか見てもらいます。